渋沢栄一と株式会

 渋沢栄一時代を開く(歴史秘話ヒストリア)を見て。

 https://www.nhk.or.jp/historia/backnumber/397.html

 

綿が登場したので、思わず見てしまいました。

渋沢栄一は、立派な志を持って行動した人だと思います。ただ、株式会社が素晴らしいという視点には、注意が必要です。植民地から吸い上げた富があったから投資ができたわけで、必然的に日本も他国を植民地にしていく道を進むことになってしまいました。

 

この番組を見ながら、『お家さん』(玉岡かおる著・新潮社)という小説を思い出してしまいました。「鈴木商店」という大正期に巨利を得た総合商社をモデルにした小説です。

創業期は、皆が少しでも良い暮らしができるようにと願って、人々が必要とするものを供給することを目的に商売をしていましたが、利益が上がるようになると、どうやってもっと儲けるかを考えるようになり、積極的投機経営を行い、金融恐慌で破産していきました。人間が陥りやすい罠がここにあると思います。

 

株式会社は、投資家に配当をするために利益をあげねばなりません。拡大再生産なくして資本主義は成り立ちません。もはや続けていくことができないシステムです。

 

私たちは、渋沢栄一の幼少時代の暮らしを目指した方が良いと思います。ただし、お殿様はいらないですね。みんなが百姓になって、汗を流して働いて、手間を惜しまず、本当に良いものを作っていく。

そういうことで暮らしが成り立っていく世の中。ユートピアでしょうか?

でも、私はせっかくの人生だから、そういう夢を追いかけてみたいと思っています。