猪と太陽光パネル

 先月稲刈りが終わりましたが、猪にかなりやられてしまいました。ここ数年、猪の被害が深刻化しています。山に増えている太陽光パネルと関係があるような気がしてなりません。太陽光パネルが増えたために、エサがなくなって、里に降りてくるようになった気がするのです。

 山の持ち主にとってみれば、太陽光パネルを設置すれば、寝ていてもお金になるのですから、パネルを設置したくなる気持ちもわかります。中山間地で一生懸命農業を頑張っても、猪にやられるのであれば、お金のことだけを考えれば、耕作を放棄して、太陽光パネルを張った方が良いでしょう。でも、命を考えたときに、命の糧を得る農的暮らしを何としても続けたいと思います。

 私有地をどのように活用するかは、持ち主の自由かもしれません。しかし、日本人が今後、何を食べて、どのように生きていくのかを考えると、私有地も含めて、土地をどのようの活用したらよいのか、真剣に議論しなければいけないときに来ているのではないでしょうか。国道沿いに広がる耕作放棄地を目にすると、山から離れていて、猪の心配がないこのような土地を借りることができたらよいのにと思ってしまいます。しかし、そういう土地は、宅地開発などの可能性があるからか、貸農園となるよりも、高く売れる時まで耕作放棄地のまま放置されることが多いです。難しいものです。

 温暖化防止のために、再生可能エネルギーの普及が勧められ、太陽光パネルがあちこちに増えていますが、温暖化の影響で豪雨が頻発する可能性を考えれば、山肌に太陽光パネルが立ち並ぶ光景は、恐ろしいです。電気の消費を抑えようという方向にどうして進まないのか、ここに私たち人間が持つ罪深さがありそうです。

 損得を考えて、得な方に。お金が得られる方向を目指すと、命を失う危険があります。お金にならなくても、命を大切にする生き方をしたいものです。

 そして、それを可能にするために、私は英語を教えたりしながら、糸紡ぎ、機織りをやっています。半農半X。田んぼや畑の恵みを自ら料理していただくことで、可能な限り金銭的出費を抑えながら、それでも必要なお金は最低限のアルバイトで賄い、空いた時間を使って、命のためになることに精を出す。これが21世紀の生き方ではないかと思っています。