非暴力の社会とは、平等な社会

ガンジーは、貧富の格差こそ最大の暴力だと考え、平等を実現することによって、非暴力の社会を築こうとしたのです。

機械の問題点

  • 機械や工場を所有している資本家と、資本家に雇われる労働者とに、人間が2種類に分かれる。
  • 機械が進歩するほど、人手はいらなくなるので、労働者は椅子取りゲームに参加させられ、競争を強いられる。
  • 資本家は、そのような労働者の弱みに付け込んで、労働力を買い叩く。あなたの代わりはいくらでもいる…と。
  • 失業者を出さないためには、機械の進歩で人手がいらなくなった分だけ、生産量を増やす必要がある。経済が成長しないと、失業者が出る仕組み。⇒無駄な仕事、有害な仕事 大量生産
  • 大量生産のためには、資源、原料が大量に必要。大量廃棄。環境破壊。
  • 石油を奪い合う戦争。軍需産業が失業者の受け皿。

ガンジーの言葉

「工業化されたインドとは、何百万もの人間が完全にこの国からいなくなることを意味します」byガンジーHarijan, 27-10-1933

「3億9千万人の死骸の上に1千万の人々が生きている光景には耐えられません。」(『ガンジー・自立の思想』地湧社p.164)

「工場労働者は一人で村で同じ仕事をしている少なくとも10人分の仕事を行っているというくらいのことは言っても大丈夫でしょう。つまり、仲間の村人10人を犠牲にしてこの工場労働者は、自分がした以上のものを得ているのです。このように、紡績、織物工場は村の人々から重要な生活の糧を奪っています。」(『ガンジー・自立の思想』pp.105-106)


糸紡ぎで平等を実現

平等を実現し、非暴力の社会を築くには、格差をもたらす機械に頼らず、糸紡ぎに代表される手仕事を通じて、すべての人に仕事を提供することだと、ガンジーは考えました。


 「チャルカ(糸車)とそれに附随する産業は、うまくやれば、社会的なものも経済的なものも含めてあらゆる不平等を実質的に取り去ってくれます。」 byガンジー Harijan, 25-1-1942,